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株/投資/ヘッジファンド/きまぐれぽんた

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決算も総会も集中しすぎ~



東証での2008年3月期の決算発表は、5月15日にピークを迎えた。東証
3階にある記者クラブ「兜倶楽部」周辺では、決算発表に訪れた企業の
担当者、報道関係者らでごった返しだった。この日発表した企業社数は
昨年よりも97社多い407社で、1日の発表社数としては過去最高。
集中度がアップした要因は、東証が発表の迅速化を企業に要請したため
だが、東証がもう一つ要請していた発表の分散化は進まなかった。その
要請というのが、決算期日末45日以内に発表するとの基準だ。決算発表の
資料を投函するだけでも一仕事です、とは15日に決算発表した企業の
担当者の弁。兜倶楽部の入り口周辺は、発表を待つ企業担当者が長蛇の
列を作り、資料を投函する報道各社のボックスは、数分もたたないうちに
資料であふれた。取引が終了した午後3時以降は、混雑が一段と激しく
なり、ボックスの周りは身動きできない状況になった。

決算が集中した理由は、上記の通り、東証が06年3月に、決算期日
末から45日以内に発表することが適当」との基準を示したためだ。
45日ルールの最終日にあたるのが5月15日。これはあくまでも要請
だが、企業にとっては、義務の意味合いが強まっている。従来は、60日
以内の発表が一般的だったため、迅速化を要請された企業は、決算を
まとめる作業に奔走することになった。決算発表には、社内的な経理
業務だけではなく、監査法人の監査を受けるにはある程度の時間が
必要。迅速化のために、経理担当を増員したり、経理システムの一部を
変更したりする企業もあった。

決算発表の集中度合いが強まったことで、証券業界や投資家からは、
決算内容が吟味できないという不満が強まっている。決算発表の迅速
化と分散化を求めてきた東証にとっては、迅速化が進んだが分散化が
形がい化してしまう皮肉な結果を招いてしまった。当然、証券会社の
アナリストは主要企業の決算に対してコメントをするのだが、これが
複数社程度ならともかく、4社を超えてくると、決算内容をしっかりと
把握し、吟味し、コメントなんてしきれない。私も証券会社でアナリストを
していたころ、大変だったのをよく覚えている。この事態を打開しようと
東証からは、今年の決算状況を改善するために、発表時期をさらに
早めるよう求める声が聞こえる。だが、企業にとってみれば、08年
3月期の決算発表もかなり無理しただけに、分散化が進まないから
といって、これ以上の早期化を求められてはかなわないという不満が
渦巻く。

株主総会も同じ日に同時開催、決算もぎりぎりで集中日、だとすると、
ちょっと厳しいですね。

ちなみに米国の企業の決算発表は、日本よりずっと早いんですけどね。


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